バルトレックスの副作用|頭痛や眠気、下痢など軽い症状

主な副作用は頭痛や眠気

バルトレックスの副作用による頭痛

バルトレックスの副作用は、発症部位や現れ方が様々です。特有と言えるような決まった副作用もないので「この症状がでたら副作用」というように、断定する事は困難になります。 以下、開発の段階で行われた臨床試験において、比較的多く見られたバルトレックスの副作用を紹介します。

  • 頭痛
  • 眠気などの意識障害
  • 腹痛
  • 下痢
  • 嘔気(悪心)
  • 腹部不快感
  • 肝機能検査値の上昇

単純疱疹(性器・口唇ヘルペス)397例を対象とした臨床試験で、最も多く見られたのが「頭痛」で、11例です。次に多かったのが「眠気などの意識障害」で、10例という結果になりました。いずれにせよ決して多くない割合です。

帯状疱疹345例を対象とした臨床試験で、最も多く見られたのが「肝機能検査値の上昇」20例でした。検査を受けなければわからないような副作用ですが、単純疱疹の臨床試験でも5例見られています。肝臓の検査値の異常は、バルトレックスの成分であるバラシクロビルが肝臓で代謝されることから起こりやすいのです。臨床試験では報告されていませんが、万が一悪化すると薬物性肝障害が引き起こされ、発熱や倦怠感などの症状が引き起こされることもあります。

稀に現れる重大な副作用

バルトレックスの重大な副作用

ごく稀ではありますが、バルトレックスの服用で重大な副作用が現れる可能性もあります。いずれも、0.2%以下の少ない割合であるか、国内で未確認であるものなので、過剰に警戒する必要はありません。とはいえ、もし身体に異常が現れた時に、症状を知っていれば早急な対応に繋がります。万が一に備えて覚えておきましょう。

アナフィラキシーショック、アナフィラキシー
バルトレックスの副作用としての発症頻度は不明です。じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状が見られ、蒼白や意識の混濁などのショック症状が現れることがもあります。「息苦しさ」や「ショック症状」が発現した場合には、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。
汎血球減少
バルトレックス副作用としての発症頻度は、0.13%です。めまい、鼻血、耳鳴り、歯ぐきの出血、息切れ、動悸、あおあざができる、出血しやすいなどの症状が見られます。
無顆粒球症
発症頻度は、0.03%です。症状としては、突然の高熱やのどの痛み、さむけなどが見られます。無顆粒球症になると体内に入った細菌を殺すことができなくなるため、風邪のような症状になるのです。
血小板減少
発症頻度は、0.05%です。鼻血や歯ぐきの出血、生理が止まりにくい、あおあざができる、皮下出血などが見られます。出血時の止血、血液の凝固に重要な役割を担っている血小板が減少する事で、血が固まりにくくなってしまうのです。
播種性血管内凝固 症候群(DIC)
発症頻度は不明です。主な症状として、採血・注射部位からの出血、皮膚の下の出血した跡、血尿、消化管出血、脳出血、肺出血、腹部内での出血などの出血症状が見られます。その他、臓器障害、中枢神経系の障害、循環器系の障害、呼吸器系の障害、消化管の障害、腎臓の障害の臓器症状が出る事もあります。臓器症状が出た際には、意識障害、呼吸困難、動悸、息切れ、尿が出なくなる、黄疸などの自覚症状が現れます。
血小板減少性紫斑病
発症頻度は不明です。倦怠感、脱力感、悪心、食欲不振などの不定愁訴や、発熱、動揺する精神神経症状、乏尿、無尿などの腎機能障害、軽度黄疸を伴う貧血による顔色不良、動悸、息切れ、血小板減少に伴う皮膚、粘膜の出血(紫斑、歯肉出血、血尿、消化管出血など)などの症状が見られます。
急性腎不全
発症頻度は0.02%です。尿量が少なくなる、ほとんど尿が出ない、一時的に尿量が多くなるなどの排尿症状に加え、発疹、むくみ、体がだるいなどの全身症状も見られます。バルトレックスと鎮痛剤の併用により、急性腎不全が発症したケースも報告されています。
精神神経症状
発症頻度は、0.24%です。物事に集中できない、落ち着きがなくなる、不眠、不安、震え、興奮、眠気、うつ、幻覚、妄想、錯乱などの精神神経症状が見られます。海外では、バルトレックスを使用した65歳の男性が、幻覚を見たり、何も映っていないテレビを見続けて笑っていたりなどの重篤な精神異常が見られたケースが報告されています。
中毒性表皮壊死融解症(TEN)
発症頻度は不明です。全身が広範囲にわたり赤くなり、全身の10%以上にやけどのような水ぶくれ、皮膚のはがれ、ただれなどが認められ、高熱(38℃以上)、皮膚や口にできるぶつぶつ、目が赤くなるなどの症状を伴う重症の皮膚障害が見られます。ヘルペスの症状と似ていますが、ヘルペスよりも、より広範囲に渡って症状が現れるという特徴があります。
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)
発症頻度は不明です。38℃以上の高熱を伴って、発疹や発赤、やけどのような水ぶくれなどの激しい皮膚症状が見られます。これらの病変は比較的短期間に全身の皮膚、口、目の粘膜に現れるとされています。バルトレックスの副作用としての発症頻度は不明ですが、スティーブンス・ジョンソン症候群全体の発症頻度は、人口100万人当たり年間 1~6人と報告されています。上記の中毒性皮膚壊死融解症と連続した疾患であり、日本では症状が体全体の10%以上であれば中毒性皮膚壊死融解症、10%未満であれば皮膚粘膜眼症候群と診断されます。
呼吸抑制、無呼吸
発症頻度は不明です。息苦しさや息切れを感じるようであれば、呼吸抑制が疑われます。また、無呼吸(呼吸が10秒以上とまった状態)を発症する事もあります。
間質性肺炎
発症頻度は不明です。症状としては、階段を登ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空咳(痰の無い咳)が出る、発熱するなどが挙げられます。これらの症状は、進行すると歩くだけでも息切れを感じるようになります。症状は急に出現したり、持続したりします。
肝炎
発症頻度は不明です。症状として、からだがだるい、白目が黄色くなる、吐き気、嘔吐、食欲不振、皮膚が黄色くなるなどが挙げられます。
肝機能障害
発症頻度は、0.05%です。症状として、倦怠感、発熱、黄疸などの全身症状や食欲不振、吐き気、おう吐、腹痛などの消化器症状、発疹、じんましん、かゆみなどの皮膚症状と幅広く見られます。前述もしましたが、バルトレックスは肝臓で代謝される薬なので、肝機能障害にまでは至る事は少なくとも、肝機能の異常は現れやすいのです。
急性膵炎
発症頻度は不明です。お腹の上の部分に強い痛みを生じ、悪心、おう吐を伴った症状が見られます。お腹の痛みはのけぞると強くなり、かがむと弱くなるという特徴があります。国内ではここ10年間に薬品の副作用による急性膵炎の発症が1,432例報告されていますが、バルトレックスによる発症は確認されていません。

発疹や痒みなどその他の副作用

バルトレックスの副作用による痒み

発症する頻度が低い、その他起こり得る副作用としては以下が挙げられます。

  • 発疹
  • 蕁麻疹
  • かゆみ
  • 光線過敏症
  • めまい
  • 腎障害
  • 排尿困難
  • 尿閉

これらは発症頻度が0.5%未満です。(光線過敏症と尿閉は頻度不明)副作用でかゆみや発疹などの皮膚症状が現れていたとしても、ヘルペスの症状とも似ている事から、判断が難しくなります。ヘルペスの好発部位である性器や口唇周辺から離れた部位に、皮膚症状が現れた場合には、医師に相談して適切な処置をしましょう。

副作用のリスクが高い人

以下の人は副作用が現れるリスクが高いため、バルトレックスの服用には注意が必要です。

  • 腎障害のある患者
  • 高齢者
  • 妊婦、産婦、授乳婦等

腎障害のある患者。

腎障害のある患者の場合、バルトレックスの血中濃度が濃くなり、副作用のリスクが高くなります。バルトレックスの成分であるバラシクロビルは体内で代謝されてアシクロビルへと変化して効果を発揮します。アシクロビルは最終的に腎臓で排泄されるのですが、腎障害のある患者では、それがスムーズに行えません。アシクロビルが排泄されずに体内に残ると、血中濃度が余分に高くなってしまいます。血中濃度が上昇する事で、薬の作用も強くなってしまうため、副作用が現れやすくなるのです。特に意識障害等の精神神経系の副作用があらわれやすくなるとされています。

高齢者。

高齢者は、若い人と比べて腎機能の低下が見られます。よって前述した腎障害のある患者と同様に副作用の出現リスクが高いのです。腎障害のある患者や高齢者は、必要に応じて、バルトレックスの投与量を調整する必要があります。自己判断での服用をせずに、医師の指示に従う事が大切です。

妊婦、産婦、授乳婦。

バルトレックスの妊婦、産婦、授乳婦への投与は、確実な安全性が証明されていません。妊婦に対しては、バルトレックスの服用がどうしても必要な場合にのみ、服用が許可されています。

バルトレックスの活性代謝物であるアシクロビルを使った動物実験でも異常が現れました。妊娠10日目であるラットにアシクロビルを大量に投与したところ、胎児に頭部及び尾の異常が認められたのです。

また、授乳婦の場合は、アシクロビルが母乳に移行する事が報告されているため、注意が必要です。バルトレックスの乳児や新生児に対する安全性は確立されていません。乳児に対する使用経験は少なく、新生児に対しては使用経験が無いのです。