ジスロマックの副作用|下痢や腹痛、嘔吐など

主な副作用は下痢や腹痛

ジスロマックで副作用が生じる頻度に関しては、日本で販売される際に行われた臨床試験によって実証されています。2,805例を対象にアジスロマイシンの投与が行われた結果、全体の13.12%(368/2,805例)に何らかの副作用の発現が確認されました。報告された副作用は、以下の通りです。

副作用の症状 発現数 発現率
下痢・軟便 92例 3.28%
好酸球数増加 75例 2.67%
ALT(GPT)増加 62例 2.21%
白血球数減少 45例 1.60%
AST(GOT)増加 40例 1.43%
腹痛 22例 0.78%
吐き気 19例 0.68%

中でも多く確認された副作用が、下痢や腹痛、吐き気などの消化器官の症状です。決して副作用が多い薬というわけではありませんが、服用後に酷い下痢が見られた場合には医療機関を受診してください。

下痢などの副作用が生じる原因には、ジスロマックにある「モチリン様作用」が関わっています。アジスロマイシンは、胃腸運動の活発化を促すモチリンというホルモンと似た構造を有しています。モチリン様作用とは、アジスロマイシンがモチリンのように働いて胃腸を活発に動かす現象を指します。

高用量のアジスロマイシンを摂取すると、モチリン様作用が強く働いて、腸内における物を排泄する運動が過剰になります。消化不良が生じた結果、下痢や腹痛、吐き気などの副作用が引きおこされます。

ジスロマックの下痢はいつまで続く?

ジスロマックによる下痢や腹痛などの副作用は、基本的には長期間続くことはありません。
ジスロマックの作用による腸内運動の活性化は一過性のものです。ほとんどの患者では服用から5時間以内に見られ、翌日までには治まっています。

ジスロマックの副作用による下痢や腹痛は比較的すぐに現れるのが特徴です。最も多いとされる発症のタイミングは服用から2~3時間後です。

下痢がなかなか治らない場合

下痢がすぐに治らない場合、ジスロマックの抗菌作用が腸内細菌のバランスに影響を及ぼしているおそれがあります。腸内は善玉菌や悪玉菌が絶妙なバランスを保つことで、健康が保たれています。ジスロマックが腸内細菌を殺菌してしまうことで、バランスが崩れて消化器官に不調が生じることがあります。この副作用はジスロマックに限らず、抗菌薬全般にみられる現象です。

腸内細菌が乱れている場合、下痢や腹痛などの不調は翌日以降に現れる傾向があります。

整腸剤で予防できます。

ジスロマックによる下痢や腹痛の副作用の予防には、整腸剤との併用が有効です。ジスロマックとの併用に向いている整腸剤としては、セレキノンとビオフェルミンRが挙げられます。それぞれ使用に適した症状が異なりますので、以下を参考にしてください。

お腹の副作用を予防できる整腸剤
セレキノン
消化管運動調律剤と呼ばれる薬です。小腸のせん動運動を一時的に抑える効果があります。アジスロマイシンのモチリン様作用による副作用を改善する効果が期待できます。
ビオフェルミンR
乳酸菌製剤と呼ばれる薬です。腸内菌のバランスを整えます。稀に見られる長引く下痢や腹痛の症状の改善に効果的です。

服用後数時間でおきる下痢の予防にはセレキノン、症状が長引いた場合の対症療法として用いるにはビオフェルミンRが適しています。

眠気や湿疹、頭痛などその他の副作用

下痢など消化器官にみられる不調を除いた副作用としては、以下の症状が報告されています。

  • 眠気
  • 湿疹
  • 蕁麻疹
  • 頭痛
  • めまい

いずれの副作用も臨床試験で検証された発現頻度は、1%未満でした。稀な頻度でしか現れない副作用ではありますが、ジスロマックを服用した後に上記の不調が現れた場合には医療機関を受診してください。
特に湿疹や蕁麻疹などの皮膚症状が現れた場合には、ジスロマックに対するアレルギーが疑われます。放っておくと、アナフィラキシーのような重い過敏症状に発展するおそれがありますので、注意してください。

ごく稀にみられる重い副作用について

ジスロマックでは命に関わるような重い副作用のリスクも報告されています。発症率は極めて低いことから、臨床試験でも発症頻度は不明とされています。以下の重い副作用の初期症状に心当たりがある場合には、ただちに医療機関の受診が必要となります。

重い副作用とその初期症状
ショック、アナフィラキシー
冷や汗、意識が薄れる、めまい、ほてり、息切れ、息苦しさ、目や唇のまわりの腫れ、動悸、じんましん
スティーブンス・ジョンソン症候群
38度以上の高熱、倦怠感、まぶたや眼の充血、目やに、目を開けづらい、結膜のただれ、ひどい口内炎、唇や口内のただれ、食欲不振、陰部の痛み、排尿、排便時の痛み
遅れて出る重い過敏症状
倦怠感、リンパ節(首、わきの下、股の付け根など)の腫れ、全身の発疹・発赤、発熱、食欲不振、のどの痛み
重い不整脈
息切れ、脈が速くなる、胸の痛み、胸部違和感
肝臓の重い症状
倦怠感、白目が黄色くなる、吐き気、食欲不振、皮膚が黄色くなる、かゆみ、尿の色が濃くなる
急性腎障害
倦怠感、体のむくみ、疲労感、頭痛、眼がはれぼったい、息苦しい、尿がでない、尿量が減る
大腸炎
嘔吐、激しい腹痛、粘性のある便、血便
間質性肺炎
発熱、痰を伴わない乾いた咳、息苦しさ、息切れ
重い血液成分の異常
発熱、のどの痛み、鼻血、歯ぐきの出血、あおあざができる、皮下出血、出血がとまりにくい
横紋筋融解症
脱力感、手のしびれ、手足のこわばり、足のしびれ、筋肉の痛み、赤褐色尿