カンジダの再発|原因は免疫力低下と再感染、予防法について

再発の主な原因は免疫力の低下

カンジダの再発の原因

性器カンジダ症は、再発がおこりやすい疾患です。カンジダ菌はヒトの身体に住む常在菌であるため、薬で膣内から取り除いたとしてもすぐに再出現する可能性があります。

性器カンジダ症の再発の原因において、もっとも重要なのが免疫力の低下です。身体の免疫機能が低下すると、抑えられていたカンジダ菌が異常繁殖して再発に至ります。免疫力の低下を招く要因としては、以下が挙げられます。

  • 疲れ
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 風邪
  • 性交
  • 生活リズムの乱れ
  • 食生活の乱れ
  • 妊娠
  • 糖尿病
  • 抗菌薬の内服

これら様々な要因が免疫力の低下させることで、性器カンジダ症の再発がおこります。
適切に治療を行って、カンジダ菌の陰性が確認されたとしても安心はできません。一定数の症例では、治療後から数週間程度で菌の再出現が確認されています。

カンジダの再出現がおきる原因には「再感染」と「治療後における菌の残存」の2つのケースが考えられます。

治療後にカンジダ菌に再感染することもあります。

カンジダ菌に再感染する経路には、さらに「自己感染」と「性感染」の2つのパターンが存在します。

自己感染については、自らの体内に常在していたカンジダ菌に再び感染することで再発がおきます。カンジダ菌は、元々ヒトの腸管内の細菌叢を構成している常在菌の一種です。腸管内のカンジダ菌が、肛門から会陰部または糞便を介して外陰部や膣内へと感染します。お手洗いの後、後ろから前側の方向で拭くと、肛門から膣への感染経路となるリスクがありますので、気を付けましょう。

性感染については、性交のパートナーが持っていたカンジダ菌に再び感染することで再発がおきます。性器カンジダ症は症状の出ていないパートナーとの同時治療の必要はないとされている一方、患者のパートナーの陰部からは高確率でカンジダ菌が検出されています。

再発を繰り返す患者では、性交のパートナーの検査を実施して、陽性だった場合には治療を行うことが妥当とされています。

治療後にカンジダ菌が残存していた可能性もあります。

抗真菌薬による治療を行った結果、陰部のカンジダ菌が検査で陰性を示していたとしても、実は完全に死滅しきれていないことがあります。検出感度を下回るごく少量のカンジダ菌が残存していた場合、それが再び増殖をすることで再発がおこるのです。
とはいえ、検出感度以下に減少したカンジダ菌が、直接的に再発の引き金になるわけではありません。カンジダ菌を完全に死滅しきれなかったことよりも、少量のカンジダ菌が再び過剰増殖してしまったことに問題があるといえます。

再発を予防する方法

カンジダの再発を予防する方法

冒頭でも述べましたが、性器カンジダ症が再発する原因は免疫力の低下です。免疫力の低下の誘因となる疲れやストレスのない健康的な生活を送ることが、カンジダの再発を防ぐ大前提となります。

デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。

デリケートゾーンを清潔に保つことは、カンジダの再発予防効果が高いうえ、すぐに実践することが出来ます。夏場に気を付けてほしいのが、下着によるデリケートゾーンの蒸れです。高温多湿な環境を好むカンジダ菌は、陰部が蒸れていると活発に増殖します。
締め付けの強い下着や肌にぴったりと密着するデザインの下着は、空気や熱がこもりやすいので避けてください。
通気性が悪いナイロンやポリエステルのような化学繊維は避けて、シルクやコットンなどの天然素材を選びましょう。
汗をかいたり下着が汚れたりした場合には、小まめに着替えることも大切です。

気を付けていただきたいのが、デリケートゾーンの洗い過ぎです。清潔にしようとするあまり、石鹸でゴシゴシ洗ってしまうと、かえって性器の免疫力を低下させてしまうことになります。女性であれば、膣の粘膜部分には石鹸が触れないように、指で丁寧に洗いましょう。また、使用する石鹸は、肌に与える負担が少ない弱酸性などの低刺激なものを選ぶようにしましょう。

再発の誘引となる薬剤の使用を避けましょう。

カンジダの再発には、服用している薬剤が誘因となっている場合もあります。一部の薬には、免疫機能を低下させてカンジダ菌の繁殖を招くことがあるためです。再発の誘因となり得る薬としては、以下が挙げられます。

  • 抗菌薬
  • ステロイド剤
  • エストロゲン・ゲスタゲン合剤(ピルなど)
  • ニトロイミダゾール剤
  • 制癌剤

これらの薬剤を投与した際にカンジダが発症しやすいという方は、再発の原因が薬剤にあると考えられます。薬剤の投与を止めることは困難ですが、抗菌薬であれば、より狭域スペクトルの薬に変更することで改善される可能性があります。

頻繁に再発する場合の対処

カンジダの再発が頻繁

カンジダ再発が高頻度でおきる患者の大多数は、糖尿病や妊娠など何らかの誘因を抱えています。特にこれといった誘因がないにも関わらず、治療後すぐに再発がおきるような場合には以下のような対処が必要となる場合があります。

別の抗真菌薬へと変更する。

カンジダの病原体と抗真菌薬の相性から、薬を変更することで高い有効性が得られることもあります。実は一口にカンジダ菌といっても、様々な種類が存在します。そのうち性器カンジダ症の病原体の85~95%を占めているのがCandid albicans(以下、C.albicans)ですが、再発を繰り返す症例ではCandid glabrata(以下、C.glabrata)が病原になっていることがしばしば見られます。
抗真菌薬の中には、C.glabrataに対するMIC(最小発育阻止濃度)が、C.albicansに比べて高い薬剤があります。つまり、C.albicansには有効性を発揮する用量で投与しても、C.glabrataには効かないケースが起こり得るということです。

実際に再発を繰り返す症例では、C.glabrataが原因菌になっていることが多いとの指摘もあります。とはいえ、性器カンジダ症治療の中心で使われているイミダゾール系の抗真菌薬では、通常投与量でもC.glabrataに対して十分なMICが得られることが分かっています。C.glabrataを原因として臨床的に治療抵抗性となることはないと考えられてはいますが、日本性感染症学会が発行しているガイドラインでは初回治療薬とは異なる薬剤への変更が推奨されています。

腸管内のカンジダ菌を除去する。

再発の原因が自己腸管からのカンジダ菌への再感染にある場合、腸管内のカンジダ菌を死滅させることで治めることができます。女性の膣カンジダ症治療で最も一般的に使用されている膣錠または膣坐剤では、膣内のカンジダ菌を一時的に死滅させることができても、腸管内のカンジダ菌に対しては無効です。アムホテリシンBなどの腸管内のカンジダ菌に有効な抗真菌薬で治療を行うことで、自己腸管からの再感染を防ぐことができます。