性器ヘルペス感染症はこんな病気

性器ヘルペス感染症の特徴
陰部にブツブツや水ぶくれができる
再発を繰り返す
潜伏期間は2~10日
口に感染すると口唇ヘルペスになる

性器ヘルペス感染症は、性器周辺に水ぶくれや潰瘍(ただれ)などの病変を形成する性病です。重症化しやすい初感染時には、入院が必要になる事もあります。一度感染すると完治は不可能であり、生涯にわたって再発を繰り返します。主な感染経路は性行為であり、性交渉が盛んな若年層を中心に感染が多く報告されています。

主な症状は陰部のブツブツや水ぶくれ

性器ヘルペスを発症すると、性器周辺に水ぶくれや潰瘍(ただれ・ビラン)などの病変が現れます。初期症状として見られるのは、痒みやヒリヒリ感などの患部の違和感です。その後に赤いブツブツが発生し、それが膨らみ水ぶくれとなり、さらに潰れて潰瘍となります。

性器ヘルペスの症状の重さは、初感染時と再発時で異なります。初感染時には高熱やリンパ節の腫れ、排尿障害などを伴った激しい症状が見られ、時には入院が必要になる事もあります。再発時には、発熱が見られる事は少なく、病変の大きさや範囲は範囲も小規模に留まる事がほとんどです。

何度も再発を繰り返します。

性器ヘルペスの厄介なところは、一度でも感染すると完治する事はなく、生涯に渡って再発を繰り返すという点です。ヘルペスウイルスは、感染後に神経細胞の中に潜伏します。現代の医学では、皮膚表面で増殖しているウイルスを抑える事は可能でも、神経細胞の中にいるウイルスを死滅させる事は不可能なのです。性器ヘルペスの再発はストレスや生理、風邪などの影響による免疫力の低下によって引き起こされます。

性器ヘルペスの発症頻度には個人差があります。1991年に観測されたデータによると、HSV-2(性器ヘルペスの主な病原体)感染者の1年間あたりの平均再発回数は、9.34回でした。発症頻度の差に関わっているのは、初感染時の重症度です。初感染時に早期に治療を開始して、症状を最小限に抑える事ができれば、その後の再発頻度も少なくなるとされています。

原因は性行為によるウイルス感染

性器ヘルペスの主な感染経路は性行為であり、若い世代を中心に多くの感染が報告されています。病原体は、単純ヘルペスウイルス1型および2型(HSV-1、HSV-2)です。非常に高い感染力を持っており、症状が出ている時は勿論、無症状の時でさえも性行為を行えば感染を起こしてしまう事があります。実際にヘルペス感染の70%が、無症状のウイルス排泄時に行った性行為によって発生しているとされています。

日本でも多くの患者が報告されており、厚生労働省のHPで公表されている平成30年度の性器ヘルペス患者数は、9,128人に上ります。数多くある性病の中でも、クラミジアに次いで第2位です。 性器ヘルペス患者の割合は、若い世代の女性を中心に多く見られました。

日本では、昔と比べて性交経験者の割合が大幅に若年化され、性行為自体の敷居も低下しました。それにも関わらず、依然として性病についての意識は低いままである事が、若年層の性器ヘルペスの感染を増加させる要因となっています。 また、男女で比較すると、女性の性器ヘルペス患者の方が大幅に多い事が報告されています。性器の構造上、性行為の際に接触する粘膜の面積が女性の方が広く、より感染しやすいという事が関係していると考えられています。

治療に使われるのは抗ウイルス薬

抗ウイルス薬は、ヘルペスウイルスの増殖を阻害する作用のある薬です。ウイルスの増殖が活発な発症初期の段階に服用を始める事で、性器ヘルペスの症状の進行を防ぎ、治癒までの期間を短縮します。
性器ヘルペスを発症した際、早めに抗ウイルス薬を服用することで、ウイルスの増殖が最小限に食い止められ、その後の再発頻度を低下させる事が出来ます。逆に初感染時の治療が遅れると、より多くのウイルスが体内に潜伏する事になり、性器ヘルペスを繰り返しやすくなります。

再発の予防には健康的な生活が大切

性器ヘルペスが再発する原因は、ストレスや過労、免疫力の低下など様々です。再発の引き金となる原因の具体例としては以下が挙げられます。

  • 過度な飲酒
  • 風邪・発熱
  • 疲労
  • 性交による粘膜の損傷
  • 他の性病による性器の炎症
  • 月経前のホルモンバランスの乱れ
  • 睡眠不足

これら以外にも慢性的な精神ストレスなども性器ヘルペスの発症を誘引となります。
発症を繰り返している人は「どんな時にヘルペスの再発が起きるのか?」を考えましょう。疲れから発症しているのであれば、疲れを取り除くための対策が必要であり、ストレスが原因なら、意識してストレスを発散することが必要です。心と身体の健康を保ち規則正しい生活を送ることが、再発の予防につながります。

再発を予防する治療もあります。

毎日抗ウイルス薬を飲み続けることにより、ヘルペスウイルスの活性を抑え続ける予防治療があります。日本では、バルトレックス500mgを1日1回服用し続ける治療法が保険適用されています。おおむね年6回以上、性器ヘルペスの再発が見られる患者に対して実施されます。再発予防治療の期間はおよそ1年間です。1年間の治療を行った後、服用を継続するか否かを医師が判断します。

再発予防治療の優れている点は、服用中に性器ヘルペスの発症が防止されるのみならず、治療を終えた後の再発頻度を低下させる効果が期待できるところです。再活性化ができないヘルペスウイルスは、新たな神経細胞に潜伏する機会を失います。神経細胞には寿命が存在するため、潜伏しているヘルペスウイルスもろとも神経細胞が死滅します。体内のウイルスの総量が減少することにより、性器ヘルペスが発症しにくくなります。