トリコモナスの原因|感染経路は性交に伴う原虫への感染

主な感染経路は膣性交

+ トリコモナスの感染経路

トリコモナス感染のほとんどは、感染者との性交渉によっておきています。膣や尿道などの生殖器に感染しますので、主な感染経路は異性間もしくは女性同士による膣性交です。口を使ったオーラルセックスや肛門性交では感染が起こりにくく、基本的には男性間の感染は見られません。
基本的に膣性交でしか感染がおきないところは、あらゆる性行為が感染経路となる他の性病とトリコモナスで大きく異なる点といえます。

無症状のパートナーからの感染に注意しましょう。

トリコモナスの感染経路で多いのが、無症状のパートナーとの性交による感染です。というのも、ほとんどの男性は、トリコモナスに感染しても自覚症状が現われません。たとえ男性に自覚症状はなくても、感染力は有しています。自分が感染していることに無自覚な男性感染者が性交を繰り返すことで、トリコモナス感染はどんどん拡大してしまいます。

気を付けなくてはいけないのが、恋人や夫婦など特定の性交パートナーの無自覚な感染です。性交を行う特定のパートナーがいる場合、片方がトリコモナスに感染していれば、もう一方も高い確率で感染していることが考えられます。

そういった場合では、症状が出ている片方だけが治療を行ったとしても、治療後にパートナーと性交を行えば再感染が起きていまします。このようなピンポン感染を繰り返していると、いつまで経ってもトリコモナスは完治しません。ピンポン感染を防ぐためにも、たとえ症状が出ていなくてもパートナーと同時に治療を行うことが大切です。

ごく稀にトイレやお風呂などでも感染が起きます。

トリコモナスの感染経路となり得るのは、性交だけとは言い切れません。実際に幼児や性交経験を持たない女性のトリコモナス感染は散見されていることから、日常生活の中にある感染経路を介した家族内感染の危険もあります。性交以外のトリコモナスの感染経路としては、以下が挙げられます。

  • タオル
  • 下着
  • 便器
  • 浴槽
  • 婦人科診療機器

トリコモナスの病原体は、乾燥した環境下では短時間で死滅しますが、水分がある所では長時間感染力を持ち続けます。家族間でタオルや下着を使い回す際には、洗濯して十分に干してから使用する必要があります。トイレの便座やお風呂の浴槽に関して、感染経路となり得るのは自宅内だけではありません。公衆トイレや温泉施設などを介して、赤の他人からトリコモナスをうつされてしまう可能性はあります。

病原体は「膣トリコモナス原虫」

膣トリコモナス原虫

トリコモナス症の原因となる病原体は、膣トリコモナス(Tricomonas vaginalis)と呼ばれる原虫です。その名の通り、主に女性の膣内や子宮頸管、尿路などに感染しますが、男性の尿道や前立腺などに感染することもあります。
その他にもヒトの身体に感染するものとして「口膣トリコモナス(Trichomonas tenax)」と「腸トリコモナス(Trichomonas hominis)」が存在しますが、病原性を発揮するのは膣トリコモナス原虫のみです。

膣内pHを変化させて他の雑菌の増殖を招きます。

トリコモナス原虫は、膣内pHを正常な酸性から異常なアルカリ性へと変化させることで、膣炎症状を引き起こします。膣内は酸性を維持することで、雑菌の繁殖を防いでいます。トリコモナス原虫の影響によって膣内がアルカリ性に傾くことで、嫌気性菌や大腸菌、球菌などの雑菌が増殖してしまいます。トリコモナス症は、トリコモナス原虫とその影響で増えた雑菌との混合感染によって、膣の炎症や悪臭などの諸症状が引き起こされています。

トリコモナス原虫は、善玉菌である乳酸桿菌と拮抗することで、膣内pHをアルカリ性へと変化させます。乳酸桿菌には、腟粘膜細胞内にある「グリコーゲン」を消費して乳酸を作り出すことで、膣内pHを酸性に保つ役割があります。実は膣トリコモナス原虫も、グリコーゲンが大好物です。膣トリコモナス原虫が感染すると、乳酸桿菌と拮抗してグリコーゲンを消費してしまいます。
結果的に、膣内から乳酸桿菌と乳酸が減少して、膣内pHがアルカリ性へと傾くことで原虫と雑菌による混合感染が起きているのです。