トリコモナスの治療と検査|期間や方法、費用などについて

治療に使われるのは抗原虫薬

トリコモナスの治療

トリコモナス症の治療には、抗原虫薬を使った薬物療法が用いられます。抗原虫薬とは、トリコモナスの病原体の増殖を阻害する薬です。抗原虫薬の内服を行うことにより、トリコモナス原虫を90~95%の高確率で消失させることができます。

たった1回の服用で済む単回大量投与法。

トリコモナス症の薬物療法には、一般的に行われている1日2回の服薬を10日間続ける「10日間薬剤投与法」の他、一度に高用量の薬剤を服用する「単回大量投与法」があります。単回大量投与法では、たった1回の服用でトリコモナス原虫を死滅させることが可能です。治療にかかる手間が大幅に軽くなりますが、10日間薬剤投与法と同等の治療効果が得られるとされています。

新しい治療法である単回大量投与法は、日本のトリコモナス治療で最も一般的に処方されているメトロニダゾールでは承認されていません。(米国CDCガイドラインでは推奨されている)日本で単回大量投与法の保険適応を得ているのはチニダゾールという薬だけです。

10日間は治療期間を要します。

トリコモナス症の治療に要する期間は、使用する薬剤によって異なります。
日本で最も一般的に使用されているメトロニダゾールでは、10日間の内服が必要です。症状が治まるまでには、個人差がありますが、少なくとも10日間は治療期間を要します。

その次に使用されているチニダゾールでは7日間の内服、もしくは先述した単回大量投与法があります。単回大量投与法では1日で治療は済みますが、トリコモナス症の治癒には1週間ほどの期間を要します。

治療中は性交を控えましょう。

治療中には性行為を行ってはいけません。トリコモナスは非常に感染力の高い性病です。たとえ症状が消退していたとしても、原虫が残存していれば、性行為でうつしてしまう可能性があります。また、性交は膣に負担がかかるため、膣炎の症状を悪化させる危険もあります。治療後に検査を行い、治癒と原虫の死滅が確認できるまで性行為は控えましょう。

また、トリコモナス症の治療では、パートナーとの同時治療が必須です。特定の性的なパートナーがいる場合、高い確率で双方にトリコモナス感染が起きています。特に男性では感染していても症状が出ないことがあるため、注意が必要です。(無症状でも感染力はある)片方だけが治療を行ったとしても、パートナーが病原体を持っていたら再感染してしまいます。このようなピンポン感染を防ぐためにも、トリコモナス症の治療はパートナーと共に受けましょう。

検査が受けられるのは2~3日後から

トリコモナスの検査

トリコモナスの検査は、感染機会から2~3日後に受けることができます。感染直後に検査を受けても正確な結果が得られない可能性が高いので注意しましょう。

医療機関か検査キットで受けられます。

トリコモナスの検査は医療機関で受けられます。女性であれば婦人科や性病科、男性であれば泌尿器科や性病科を受診しましょう。保健所ではトリコモナスの検査を行っていませんので、注意してください。

また、検査キットを使うことで、自宅に居ながらトリコモナスの検査が行えます。検査キットは通販で購入できます。届いたら、尿または膣分泌物を採取して検体を返送します。検査結果の確認は、後日購入したサイトから確認できます。トリコモナスの検査キットには、その場で陽性・陰性が分かるものがありません。検査キットが往復する期間がかかりますので、結果を知るまでに多少時間がかかります。

検査方法は女性と男性で異なります。

女性の検査

検査方法は、膣の分泌液を医師が採取し、顕微鏡でトリコモナスの原因菌であるトリコモナス原虫を探すというものになります。すぐにトリコモナス原虫が見つかれば検査結果も即日わかります。数が少なくて見つけにくい場合、培養して増やしてから検出する必要があるので、検査結果が出るまでに数日かかります。

男性の検査

検査方法は尿検査になります。尿の中からトリコモナス原虫を顕微鏡で探します。ただし、男性の場合、実際には感染していたとしても検査結果が陰性になってしまう事もあります。トリコモナス原虫は前立腺やその周辺器官に感染することもあるので、尿検査だけでは病原体の検出が難しいのです。

治療や検査でかかる費用

トリコモナスの治療費

トリコモナス治療や検査にかかる費用は、保険診療と自由診療とで大きく異なります。予想される費用は、保険診療で2,500円くらい、自由診療で18,000~20,000円くらいになるかと思われます。

保険診療では2,500円くらい。

保険診療とは、患者さんが病院で保険証を提示して受ける診療のことです。治療費も検査費も患者側は、3割負担で受けることができます。保険診療でかかる費用は、病院で支払う金額と薬局で支払う金額の合計です。諸々の料金については、厚生労働大臣が定めた診療報酬や調剤報酬によって点数(1点=10円)が決められているため、保険診療では、かかる費用に医療機関ごとの差がありません。

以下は、トリコモナス症の検査と治療で受けると思われる医療行為に対する診療報酬です。

初診料
282点
排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査
61点
細菌培養同定検査(泌尿器又は生殖器からの検体)
160点
処方箋料(院外処方)
68点

上記を合計すると571点(5,710円)です。合計は3割負担で1,710円となります。ここまでが、病院で支払う費用です。

次に薬局では調剤報酬と薬の費用を支払います。以下は、トリコモナス治療でかかると思われる調剤報酬です。

調剤料
40点
調剤基本料
41点
薬剤服用歴管理指導料
41点

これら調剤報酬の合計は122点(1,220円)です。薬局では、調剤報酬に薬代を加えた金額を支払います。
トリコモナス症の第一選択薬であるフラジール内服錠250mgが、10日分処方された場合で計算してみましょう。フラジールの薬価が1錠35.50円です。1日2錠、10日間の内服を行った場合の合計金額は710円です。
上記した調剤報酬との合計が1,930円であり、薬局で支払う額は3割負担で580円となります。

ここまでに挙げた医療報酬と調剤報酬、薬代を全てを合算した費用が2,290円です。
つまり、保険診療ではおよそ2,500円くらいの費用でトリコモナス検査および治療が受けられると予想されます。

自由診療では18,000~20,000円くらい。

自由診療とは、保険証を使わずに受ける診療のことです。トリコモナスの治療や検査にかかる費用は全て自己負担となります。
保険診療と違って、医療行為に対する費用があらかじめ決められているわけではありませんので、医療機関側で金額を自由に設定することができます。 つまり、治療費や検査費、薬代など諸々の費用は、医療機関ごとに異なります。大きなクリニックではHP上で費用が確認できますが、治療費と検査費を合計したおおよその相場は18,000~20,000円くらいでした。

自由診療では、保険診療よりも費用が高くなるというデメリットがありますが、匿名で受診できるというメリットもあります。保険証を使いませんので、健康保険組合から通知される「医療費のお知らせ」に通院歴が記載されることはありません。つまり、自由診療は、職場や家族に医療機関への受診を内緒にしたい方に向いているといえます。